日本はスウェーデンや北極海開発のために北極海版NATOを構築するべき

政治・経済・外交・防衛



 トルコのクルド人問題を理由にスウェーデンがNATO加盟で揉めています。
この問題はトルコの安全保障を脅かしています。
そのため、私はスウェーデンのNATO加盟はできないと考えています。
そして、このことは日本の外交にとって、北極海版NATOの構築チャンスではないかと思います。

 私は北極海版NATOを作るべきだと思います。
理由は、日本独自の安全保障体制の構築と北極海航路もしくは海路の構築のためです。

 まず、今の日本の安全保障は日米同盟に頼り切りの状態です。
日本の自衛隊が世界最弱の軍隊であり、ロシアが北海道侵攻を検討した通り、世界からなめられています。
在日米軍が撤退したら、国家存亡の危機に瀕する可能性が高いです。
その状態を変えるべく、安倍政権で日米豪印のクアッドが作られましたが、経済分野での安全保障にとどまっています。
日本が攻撃されず、軍拡しなくてもすむように、集団安全保障体制を構築する必要があります。
これまで日本が集団安全保障体制を構築できなかったのは、集団的自衛権の行使問題でした。
日本が攻撃したら、同盟国は助けるのに、同盟先の国が攻撃されたら守れないという法律上の解釈問題があり、さらに国民の世論でも戦争に巻き込まれたくないという問題がありました。
しかし、安倍政権で集団的自衛権の行使に関する法律が可決され、集団的自衛権の問題が解消されました。
このことにより、集団的自衛権の行使できるようになり、集団的安全保障体制への支障がなくなりました。
世論もクアッドやFOIP(自由で開かれたインド太平洋戦略)を経験し、中国の脅威が大きくなってきたことにより、集団的安全保障体制への批判が薄れてきました。
私は日本の独自の安全保障体制の構築へ機は熟したと思います。
 ところでここでみなさんは疑問に思うでしょう?
なぜアジア版のNATOではないのか?
それはアジア諸国が中国の影響力が強く、潜在的な敵対国である中国になびく可能性が高いからです。
さらにインドも非同盟外交を打ち出しているため、乗り気ではないでしょう。
この2つの原因により、アジア版のNATOは機能しないのではないかと思います。
 一方、北極版のNATOは、ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアに敵対心を加えた国を中心となります。
例えば、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、イギリス、カナダが加盟相手となるでしょう。
さらに、海路を使う国なら基本的に加盟する形になります。
懸案の国であるアメリカはロシアを刺激するために様子を見ながら入れる感じになると思います。
そのため、ロシアの同盟国である中国になびく可能性が低いです。
だから北極版NATOを作るべきではないかと思います。



 また、安全保障以外にも北極版NATOを作るべき理由があります。
それは、北極海航路の構築と安定のためです。
まず、北極海航路の構築についてです。

北極海航路は以下の通りです。

“北極海を経由して太平洋と大西洋を結ぶ航路のこと。
ユーラシア大陸のロシア沿岸を通る北東航路と、北米大陸のカナダ沿岸を通る北西航路がある。“
北極海航路 コトバンク

 北極海航路は、地球温暖化により、雪が解け航路として使えるようになりました。
しかしながら、北極海航路の使用を活発化するためにはいくつか難点があります。

・北極海の航路は深度が浅く、大型船舶の通行を妨げること。
・氷結した部分が多く、輸送船には砕氷船の随行が必要になること
・現時点では、通年運航が不可能なこと

 これらの問題を解決するために、NATOではなく、北極専用の安全組織である北極海版NATOを通じた枠組みを作り、すべての国でお金を出し合い、解決していきます。
そうすることで、日本の新たなシーレーンを確保していきます。
シーレーンとは以下の通りです。

“有事の際、国家の存立、あるいは作戦の遂行のために確保しなければならないとされる海上の交通路。”

このシーレーンを確保することで、台湾有事が起きても、西欧や中東との貿易先を確保していきます。

 次に北極海航路の安定についてです。
民間企業が北極海航路を安定的に使用するために、北極海の治安の安定が必要です。
そのために北極海版NATOは、治安維持組織として機能するでしょう。
 ここまで述べてきたことから、日本が安全保障体制を構築できる可能性が高いのは、北極海版NATOだと思います。

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