去年、2030年を目安に神戸空港の国際化が決まりました。
観光需要の回復より、関西の空港のあり方を決める「関西3空港懇談会」で決まりました。
この決定は歴史的なものであり、今までの関西空港行政を根本的に覆すものです。
この決定に至るまで、なぜ神戸空港の国際化がなされなかったのか?
まずは、それを紐解いていきましょう。
現在に至るまで神戸空港が国際化されなかったのは、関西国際空港の開設の経緯にあります。
関西国際空港が必要になったのは、大阪国際空港(伊丹空港)の発着数が航空需要に対応しきれない為です。
関西国際空港は、24時間運用可能な空港として泉州沖の海上に作られました。
この関西空港の設置場所について以下の3か所が挙げられました。
・泉州沖
・神戸沖
・播磨灘(高砂沖)
この候補地から関西国際空港に選ばれたのは、泉州沖です。
その後、神戸沖には現在の神戸空港が作られました。
それでは、それぞれの候補地が選ばれた、もしくは選ばれなかった理由について解説していきます。
まず、播磨灘(高砂沖)の長所は、滑走路を上記2つの候補地より長く作れる点です。
しかし、大阪から遠すぎるという欠点があり、最初に選考対象から外されました。
次に神戸沖ですが、立地上の欠点はなかったです。
しかし、当時の神戸市や世論の反対が大きく、断念する結果となりました。
神戸沖に航行する船への影響や、海域への環境汚染が懸念された為です。
泉州沖は、大阪からのアクセスがよく、特段大きな問題がありませんでした。
この経緯から泉州沖に現在の関西国際空港が作られました。
“泉州沖は大阪に近い点で評価が高かったが、良好な漁場への影響が懸念された。高砂沖は空港を設置できる範囲が最も広かったが、大阪から遠いという難点があった。”
関空整備、幻の高砂沖案を追う 神戸沖、泉州沖、播磨灘…約50年前は3カ所が候補に
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/202205/0015267076.shtml
“当初は神戸沖が有力な候補地となったが、当時の宮崎辰雄・神戸市長(故人)が反対し、今の泉州沖となった。”
神戸空港の国際化 兵庫と大阪「薄氷の合意」 直前まで利害対立の背景は
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202209/0015650390.shtml
関西空港が完成したのち、神戸空港が開設され、国際化を求めました。
しかし、神戸空港の国際化はこれまで述べてきた経緯と、関西国際空港の存在意義をなくすため、大阪府や国に反対され続けました。
その後、先日悲願の国際化が決定しました。
国際化が決定した理由は、大阪万博に向け、インバウンド需要が回復傾向にある為です。
では、最後に国際化が決定した神戸空港にどのようなメリットが生じるのでしょうか?
それは、関西の航空運用量の増加により、路線数が増加し便利になることが挙げられます。
それにより、今までになかった新規路線が生まれる可能性があります。
神戸空港や大阪国際空港、(伊丹空港)、関西国際空港を運営する関西テレポートの社長は、インド直行便などの新設を期待しているとのことです。
2030年に向け、より便利になる神戸空港の将来に期待しましょう。
“マスコミの取材に対し、関西エアポートの山谷社長は「インド便」などの就航を期待すると述べた。”
【神戸国際化特集①】整備スケジュールや想定就航路線は?3空港懇の合意内容から読み解く!
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