私は自衛隊の旗を旭日旗から別の旗に変更すべきだと思います。
なぜなら、不必要なトラブル回避と自衛隊のイメージアップに繋がるからです。
旭日旗は、大日本帝国の軍旗として、明治維新以降に使われ始めました。
特に第2次世界大戦では、旧日本軍の陸海軍を中心に採用され、日本の植民地支配の象徴となりました。
戦後、この旗は海外から見れば、大日本帝国の軍国主義を想起させるものとして扱われています。
そして、このことはナチスドイツのハーケンクロイツと同列であるということです。
“明治時代から第2次世界大戦敗戦まで軍旗として採用され、現代では陸上・海上自衛隊が使用しているほか、民間でも祝事やスポーツの応援などで用いられている。”
旭日旗 コトバンク
旭日旗は、現在も自衛隊で使用しています。
1954年に施行された自衛隊法に基づいて、旭日旗が使われているのは、海上自衛隊の自衛艦旗や陸上自衛隊の自衛隊旗(連帯旗)です。
例えば、海上自衛隊では、各国の領海を通る時などに使われます。
旭日旗を使う理由は、どこの海でも日本の軍艦だと明白に理解されるからです。
このことは、自衛隊法の成立を主導した当時の吉田茂総理大臣も発言しています。
“吉田茂首相は承認の際に「世界中で、この旗を知らない国はない。どこの海に在っても日本の艦であることが一目瞭然で誠に結構だ。旧海軍の良い伝統を受け継いで、海国日本の護りをしっかりやってもらいたい」としている。”
自衛艦旗をめぐる議論に関する一考察
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary089.pdf
この旗を使うことは、日本の旧植民地(特に韓国)から非難を受けています。
韓国では、旭日旗が公の場で使われるごとに日本を非難する人々が数多く存在します。
ワールドカップでは、日本対コスタリカ戦で、日本のサポーターが旭日旗を振りました。
このことにたいして、不快に思った韓国は、旭日旗を使用したことにすぐさま抗議し、FIFAも使用停止するよう対策をしました。
“27日に行われたサッカーのカタールワールドカップ(W杯)1次リーグE組第2戦の日本対コスタリカ戦で、日本のサポーターが競技場内に旭日旗を掛けようとして制止された”
旭日旗に敏感なのは韓国とFIFAだけ?「世界は日本サポーターの善行だけ報道」と韓国メディア
一部の韓国の政治家は反日感情を通じて、自国に対する不満を意図的に日本にそらしています。
2011年前後の日韓関係は李明博大統領より戦後最悪の状態に陥りました。
当時、大統領の汚職事件により韓国での支持率は低下していました。
李明博大統領の実兄、李相得や、李明博の夫人のいとこなどの身内が金融機関や企業から巨額の不正資金授与をした問題が起こりました。
後に李相得などは逮捕されましたが、政権の人気に打撃を与えました。
そんな状況を打開するため、竹島上陸騒動や、天皇土下座発言などの反日運動を行いました。
竹島上陸騒動とは、2012年8月10日に日本側の要求を無視し、李明博大統領が竹島に上陸した事件です。
さらに、韓国は竹島に自国の領土であることを示す記念碑を設置しました。
その記念碑には、ハングルで「独島」「大韓民国」「2012年夏 大統領 李明博」と刻まれ、その月の19日に除幕式が行われました。
このことに当時の野田政権は反発し、当時の駐日大使を帰国させました。
天皇土下座発言とは、竹島上陸騒動の直後、8月15日に李明博大統領が「(天皇が)『痛惜の念』などという良く分からない単語を持ってくるだけなら、来る必要はない。韓国に来たいのであれば、独立運動家を回って跪(ひざまづ)いて謝るべきだ」発言したことです。
この発言に日本側は、謝罪と撤回を求めました。韓国側は拒否をしたため、日韓通貨交換協定の拡大措置を白紙にしました。
さらに国会で8月24日に皇謝罪要求発言と竹島への上陸に抗議する決議が提案され、民主党、自民党などの賛成により可決されました。
“衆院は24日の本会議で韓国の李(イ)明博(ミョンバク)大統領による島根県・竹島への上陸と天皇陛下訪韓をめぐる謝罪要求発言に抗議する決議と、中国人活動家らによる沖縄県・尖閣諸島魚釣島への上陸を非難する決議を民主、自民、公明などの賛成多数で採択した。”
不法占拠の停止要求、衆院で竹島決議 尖閣上陸でも非難決議
これ等の反日行動の結果、日本との外交関係は過去最悪となりましたが、韓国国内から支持率が上昇し、次期大統領を自らの党の候補者である朴槿恵を当選させました。
このように韓国の政治家は反日運動を利用したことがあります。
そのせいで、日韓関係の悪化を招いています。
“李大統領の実兄や秘書が汚職事件で逮捕されるなど、選挙を控え、李政権の支持率はどうしようもない状態になっていました。そこで、支持率を少しでも回復させ、与党であるセヌリ党の次期大統領候補者を選挙で勝たせるべく、日本を悪者に仕立て上げる手法に打って出た。”
また、旭日旗をこのまま使い続けることで、安全保障に対するリスクが存在します。
例えば、『日本はナチス』といって戦争を仕掛ける国が出現する可能性があります。
その声が大きければ、ウクライナのように支援してくれる国がなくなる可能性が高いです。
そうなると、日本は自衛隊だけで国を守れない可能性が高いので、国家滅亡という状況に陥るでしょう。
このような状況を防ぐために、このまま旭日旗を使い続け、トラブルを回避する必要があります。
だから、自衛隊の旗は旭日旗から別の旗に変更するべきだと考えます。
では、なぜ、今まで自衛隊の旭日旗を変えることが出来なかったのでしょうか?
それは、下記の2点と考えられます。
- ①過激な保守派の反対が多い点
- ②変更までにかかる費用が多い点
まず、①の過激な保守派の反対についてです。
大日本帝国を賞賛している人や、中韓を嫌いな人の数が多いです。
旗を変えようとすると、その人たちから大きな反発があります。
例えば、『中国や韓国に屈するのか?』や、『(旗を見て想起する)戦争で死んだ祖先を大切にしないのか?』といった声が出る可能性が高いです。
また、そういった人達の票を失う可能性が高いです。
だから、政治家は旭日旗の変更をしないのではないかと考えられます。
次に②の変更にかかる費用です。
国会を運営していくのにかかる1日の費用は4億円ほどかかります。
衆参の予算委員会、衆議院、参議院でそれぞれ審議すると考え、最低4日かかります。
つまり、旗の変更だけで16億円もかかる計算です。
このことに加え、旗の新規デザイン費や旗の購入費用、それにかかる人件費を考えると最低20億円はかかるのではないでしょうか。
これが難点になっていると思います。
“国会閉会中も含めた日割りで1日あたり4億2千万円となる。”
税金1日4億円以上 実りなき国会の体たらく
しかし、これらの欠点は、自衛隊のイメージアップより重要なことではないと思います。
日本の旧植民地ならびに戦争対象国からの自衛隊への印象が旭日旗で明らかにマイナスです。
例えば、豪・キャンベラの「オーストラリア戦争記念館」ではプロジェクターから映し出された旭日旗を踏みつけにするコーナーが存在していました。
戦時中、オーストラリアでは、250人以上が犠牲になったダーウィン大空襲が旧日本軍により引き起こされました。
この攻撃は民間人を狙った卑劣な空襲だからです。
そのことから、オーストラリアにとって、旭日旗は悪夢の旗だといえるでしょう。
“天井に設置されていると思しきプロジェクターから、旭日旗の映像が、ちょうど「玄関マット」のような格好で照射されていたのだ。部屋の入口にあることもあって、来館客たちは続々と映し出された旭日旗を踏みつけながら、展示室に入っていく。”
このように、旭日旗は多くの国で嫌われています。
日本は旭日旗から別の旗を変えることで、海外からみた印象をゼロもしくはプラスに転じれるのではないかと思います。
そうなれば、いい印象を持った海外の人が増え、日本の外交への良い影響が生まれるでしょう。
これまで述べてきたことから、私は自衛隊の旗を旭日旗から別の旗に変更すべきだと思います。
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