(1)前文
先日、大田区では東急蒲田駅と京急蒲田駅を繋ぐ蒲蒲線建設問題が大田区議選や大田区長の争点となっていました。
その大田区長選で当選したのは、蒲蒲線賛成派の鈴木晶雅です。
今回は、蒲蒲線がどういうものかについて分かりやすく解説をいたします。
私は個人的に蒲蒲線賛成ですが、反対派にも納得いただけるようなるべく公平に述べていきます。
(2)蒲蒲線とは
蒲蒲線とは多摩川線の矢口渡から東急蒲田駅と京急蒲田駅を繋ぎ、大鳥居駅で結ぶ現在大田区で計画されている新路線のことです。
大鳥居駅で京急羽田空港線と対面乗り継ぎを行います。
昨年、大田区では、蒲蒲線の運営を行う「羽田エアポートライン株式会社」を東急とともに設立しました。
“同線は、東急多摩川線を矢口渡駅付近から地下化し、JRと東急の蒲田駅、京急蒲田駅を経て、京急空港線に乗り入れる計画。”
蒲蒲線の整備向け 第三セクター設立 大田区と東急電鉄
(3)蒲蒲線のメリット
この路線のメリットは、下記の3点です。
1⃣羽田空港へのアクセスを改善すること
2⃣大田区を鉄道で縦断できるようにすること
3⃣拡張の可能性がある点
1⃣羽田羽田空港へのアクセスを改善すること
蒲蒲線の一番の目的です。渋谷や、新横浜など東急沿線から羽田空港へのアクセスを大幅に改善することです。現在、東急沿線から鉄道で行くのには、品川や横浜で乗り換える必要がある時間がかかります。
2⃣大田区を鉄道で縦断をできるようにすること
大田区を縦断できるようにすることで、大田区全体の移動を楽にします。また、移動しやすくなることで、不動産価格向上など大田区全体の経済の発展寄与するでしょう。
3⃣拡張性がある点
蒲蒲線に直通する多摩川線は、エイトライナー構想と言う路線延長計画があります。
エイトライナー構想は、赤羽から練馬、高井戸、二子玉川を経由して多摩川線に直通しは円田空港へという総延長73.4kmという壮大な鉄道路線を建設する計画です。
蒲蒲線が成功すればこの構想が始動するでしょう。
また、建設後、池上線にも直通できるように改良すれば、五反田まで行けることになります。
五反田から品川まで延伸できれば、南北線に直通する可能性も出てきます。
“エイトライナーは、さらに蒲田を経て羽田空港に至るという構想もあります。“
鉄道計画データベース
(4)蒲蒲線のデメリット(反対派の意見)
蒲蒲線のデメリットは、下記の3点です。
1⃣巨額資金がかかる点
2⃣京急線の羽田空港駅まで直接行けない点
3⃣池上線に直通しない点
1⃣巨額資金がかかる点
蒲蒲線の建設には巨額の建設費がかかります。具体的な金額は、約1360億円もかかります。東京都が3割、区と東急と「羽田エアポートライン株式会社」で7割を賄う予定です。
費用対効果が予想されている額より少なくなり、区の負債になる可能性があります。
“今回の都と区の協議による試算では、同区間の総事業費は約1360億円。”
一歩前進、東急・京急接続「蒲蒲線」何が決まったか
https://toyokeizai.net/articles/-/596984
2⃣京急線の羽田空港駅まで直接行けない点
今回の羽田空港まで線路が繋がりません。その理由は、東急と京急で線路幅が異なるためです。羽田空港までつながらないのはマイナスな点と言えるでしょう。
3⃣池上線に直通しない点
東急の蒲田駅には、蒲蒲線直通予定の多摩川線のほか、池上線も走っています。池上線は、五反田と蒲田を結んでいます。減税の計画だと、池上線沿線の大田区民はメリットがない形となっています。
(5)結論
今回は、蒲蒲線のメリット、デメリットを述べてきました。
私は蒲蒲線に賛成のため、ぜひできてほしいと思います。
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