(1)前文
近年、都立高校などでは大学受験のために予備校講師を呼んでいます。
例えば、都立松原高校は、個別指導塾TOMASを運営するリソー教育の子会社、スクールTOMASの管理職講師を呼びました。
名目は「進学アシスト校事業」です。
“ 東京都教育庁は、都立高のうち、生徒の進路が進学や就職など多岐に分かれている「進路多様校」でこの事業を始めた。実施校は松原高校と福生高校。2、3年生(1~3月は1、2年生)が対象で、隔週で国語、数学、英語の3教科の授業を行う。”
都立高校に「受験のプロ」参入 “教育機会格差”の是正なるか(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)
私はこの事業について、強い疑問に浮かびました。
①都立高校に勤務している先生が大学受験の勉強を見ることができないのか?
②予備校講師に給料を払うのは税金の無駄遣いではないのか?
この疑問が浮かんだ時、予備校教師を呼ぶことは本末転倒だと思いました。
そして、このことは予算カットを叫び続けた政治の失敗の象徴です。
私はもっと学校教師の待遇をよくするべきだという考えに至りました。
(2)なぜ、学校に勤務している教師の待遇が下がったのか?
私は「①都立高校に勤務している先生が大学受験の勉強を見ることができないのか?」の疑問に対して、学校に勤務している教師の待遇が悪いせいだと思います。
近年、自治体の財政悪化により教師の予算カットが行われています。
特に自民党や日本維新の会など新自由主義の政党が中心にいる自治体では、政治家が積極的に進めています。
そのため、常勤の教師を雇わずに非常勤の教師が増えたことは教師の質を下げています。
常勤の教師の役割を非常勤にさせるため、教師の仕事だけでは生きていけない状況になっています。
さらに低賃金やブラック労働のため、教師になる人が減っていて、地方では教育が成り立っていないところもあります。
愛知県の小学校の例だと、担任の先生もいないという事態に発展しています。
“「学級担任をしていただけませんか」。愛知県内の公立小学校で昨年七月、当時非常勤講師だった女性(71)に突然、校長から打診があった。
(中略)
その学級は、別の教員が一時的に受け持っていた。小学校を管轄する教育委員会が講師登録者から後任を探したが、「担任」には難色を示す人ばかりだったという。“
71歳が学級担任に 「不安な子どもたちのため」
このことから明らかに学校の教育の質は、昔より下がっています。
(3)では、どのように教師の待遇を上げるべきか?
教育の質を上げるには教師の待遇を挙げなければいけません。
現在、政府(岸田総理)もこのことについて、言及をし始めています。
では、具体的にどのような形で教師の待遇を上げるべきでしょうか?
私は正職員で雇い、教師の賃上げとしっかりした研修を行うことだと思います。
もっとも簡単に人を集めるには、高い給料を出すことです。
高い給料を出せば、有能な人材は必ず来ます。
しかし、高い給料を出すことに関して、自治体の予算には限りがあるから無理だと主張する人もいるかと思います。
今回は、実際に教師の待遇を上げたことにより、教育の質が改善し始めている例を紹介いたします。
“ブラックなイメージが蔓延する教師の働き方に真っ向から立ち向かう学校が、中高一貫校の聖光学院中学校高等学校です。
(中略)
教師の雇用形態にしても、当校では教師に安心して長く働いてほしいので専任教師(※)がメイン。
(中略)
質の高い教育を子どもたちに提供していくには、教師が教科研究の時間を持つことが不可欠。“
私は自治体の公共サービスで一番重要なのは教育で、ほかの予算を後回しにしてもお金を回すべきだと主張します。
また、大学受験に対応できるように教師の研修もしていくべきです。
そうすれば、予備校講師を呼ぶという本末店頭な事にはならないと思います。
(4)結論
これまで述べてきたことから、私は予備校教師を呼ぶのではなく、高校に勤務している教師の待遇を上げるべきだと主張します。
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いらすとや
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