最近、羽田空港発の国内線が姿を消しつつあります。
羽田空港の国際化で発着数が多くなり、航空会社が利益重視して、海外線の受け入れを増やしていることが要因の一つです。
地方路線を維持するのには解決策はあるのでしょうか?
私はこの問題の解決策として、調布空港を活用すべきだと考えます。
なぜなら、東京都内にあり、羽田空港や成田空港よりも発着料などが安く、地方路線維持をしやすいからです。
調布空港とは、東京都が運営している空港で、東京(日本本土)と伊豆諸島を結ぶ定期路線があります。
調布空港は、滑走路が短く、立地も23区から離れているため、主要な空港ではありませんでした。
しかし、現在の状況や技術の発展より、欠点を克服できるようになりました。
滑走路が短い点については、プロベラ機を主体で、ジェット機を飛ばせないのが難点でした。
近年、離島路線だけでなく主力路線でプロペラ機を使用するケースが増加しました。
例えば、ANAの定期便が運航している区間は、大阪国際空港(伊丹空港)および中部国際空港~福岡空港、成田空港~新潟空港です。※1
なぜ、ジェット機ではなくプロペラ機を使うのかと言うと、維持費が安くなるからです。
最近のプロペラ機として活躍している、ATR42があります。
このプロペラ機は、ジェット機に比べると速度は遅いですが、800mの滑走路でも着陸できます。
また、ATR42の燃費はジェット機に比べ、はるかに安いです。
JALグループでも採用があり、その他新規航空会社でも採用され始めています。
以下は日経の記事です。
“燃費は競合するボンバルディア(カナダ)の「Q400」などのプロペラ機に比べ4割、三菱航空機の「MRJ」などのジェット機と比べると85%良いという。”
受注目標は「100機」 欧プロペラ機のATRが攻勢
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22120580R11C17A0000000/
ATR42などを見るに、プロペラ機の方が東京~地方路線を維持できるのではないかと思います。
調布空港は羽田空港とくらべると、23区からのアクセスは良くないです。
しかし、成田空港と比べると、新宿以西に在住している人なら、調布空港へのアクセスが容易です。
新宿駅から調布空港に行く場合、かかる時間は約50分です。※2
経路は、京王線で調布駅まで行き、バスで調布空港となります。
この経路で行くと、料金は462円となります。
一方、新宿駅から成田空港に行くのにかかる時間は約1時間~約2時間です。
成田空港へは、成田エクスプレスで直接向かう場合が多いです。
この経路で向かう場合、かかる時間は約1時間30分で、料金は3248円です。
最安で行く経路の場合、かかる時間は2時間以上、料金は1188円と大幅に違います。
そうなると調布空港の方が利便性で優位に立っています。
ここまではデメリットを述べてきましたが、調布空港のメリットを述べていきたいと思います。
1つ目のメリットは、搭乗手続きに時間がかからない点です。
羽田空港、成田空港は混雑していて、搭乗までの必要なチェックイン、手荷物検査など手続きに時間がかかります。
一方、調布空港は混雑していないため、素早く搭乗手続きに進めます。
その結果、飛行機に乗るまでに必要な時間が短くなる可能性が高いです。
2つ目のメリットは、発着枠に余裕があることです。
羽田空港、成田空港は、人気がゆえに発着枠が足りません。
このため、あまり使われず、キャパシティに余裕がある調布空港を利用するのは、合理的考えられます。
3つ目のメリット、空港使用料が安い点です。
羽田空港、成田空港は混雑しているため、使用料が高いです。
例として、空港使用料の一つである発着料金は、ジェット機(B787-8)が1回着陸するたびに約60万円請求されます。
“羽田空港にB787-8が1回着陸するたびに約60万円請求されます。”
空港を使用する際にかかる空港使用料の詳細
一方、調布空港は、プロペラ機ということもあって、羽田空港、成田空港と比較し、発着料が安いです。
そのため、地方路線維持には最適だと思います。
これまで述べてきたことから、地方路線維持のために調布空港を活用すべきだと考えます。
参考資料
※1日本で運航中のプロペラ機 全路線一覧【最新版2019】
※2yahooの路線検索より
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